歯を抜いた後すぐにインプラントを入れると抜けやすい?

歯を抜いた直後のインプラントの懸念

様々な理由で歯を抜かなければならない事があります。


例えば、前歯をぶつけて歯が割れてしまう場合。
前歯だと、歯を抜くということは見た目にも大きく関わってきます。


奥歯に関しては、大きな虫歯になってしまって抜かなければならない場合。
歯を抜いてしまうと、噛むということがしっかりと出来なくなってしまうので、食事が大変になってしまうと思います。

ですので、もし歯を抜くことになった場合、歯を抜いた直後にインプラントを入れたいと考えるかと思いますが、大丈夫なのでしょうか?

 

歯を抜いた直後、あごの骨はどうなっている?

歯を抜いた直後というのは、顎の骨に大きな穴が開いた状態になっています。なぜかというと、歯には太い根っこがあるので、その分の空間が空いている状態ということです。


インプラントは人工の根っこを入れる治療ですが、空間が大きければ大きいほど不安定な状態でインプラントを入れることになります。
ですので、人工の骨を足すことでその空間を埋める必要があります。

ただ、あくまでも人工物ですので、ばい菌が入ってしまったり、とても強い力がかかることで自分の本来の骨と比べて溶けやすくなってしまっています。
そのため、将来的には人工の骨が溶けることで歯ぐきが下がり、被せ物(見えている歯の部分)の下に隙間が出来てしまいます。
もっと状態が悪くなってしまうと、人工の骨が殆ど溶けてしまって、インプラント本体が丸ごと抜け落ちてしまう、という可能性もあります。


人工でない天然の骨はとても強いので、できれば歯を抜いた後、あごの骨が元に戻ってからのほうが、安定したインプラントを入れることができます。

しかし、歯を抜いた後の大きな穴が埋まるまで、個人差はあるものの大体3~4カ月は必要です。

 

インプラントしてすぐ噛める?

また、インプラントを入れたから、とすぐにその歯を使って物を噛みたいと思われるかもしれませんが、インプラントを入れた直後というのは、金属と骨が完全にくっついた状態ではありません。その状態のときに被せ物を装着して噛み合わせの力が強く加わってしまうと、根っこにもその力が伝わってしまいます。
それが続くと、インプラントが抜けてしまう原因になります。なので、インプラントを入れた後も骨とくっつくまで数カ月は無理な力がかからないようにする必要があります。

 

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歯を抜いた後、傷口が治るのを待ち、人工の根っこを入れてからも数カ月待つことになります。
目安として、歯を抜いてからおよそ半年の間は治療期間としてかかってしまいます。


このインプラント治療完了までの約半年を待つだけで、その後の10年・20年・30年と、予後が大きく変わってきますよ。